日本酒って?


触りだけでも抑えておいた方が良い日本酒。

今回は日本酒の種類と製造過程をお伝えする。

特定名称酒について●
簡単に言うと日本酒の種類。
基本は下記3つに分かれる。

1.純米酒
米と米麹のみを原料にしたもの。
精米歩合の指定なし。

2.本醸造酒
米と米麹と醸造アルコールを
原料にしたもので、
精米歩合70%以下のもの。

3.吟醸酒
純米酒または本醸造酒で、
吟醸造りネタの精米歩合が60%以下のもの。

※精米歩合とは、米を削った割合。

さらに精米歩合の基準や
製造方法が変わると、
名称が変わるお酒が5つある。

1.特別純米酒
→米と米麹、精米歩合60%以下で
 特別な製造方法。

2.特別本醸造酒
→米と米麹と醸造アルコール、
 精米歩合60%以下で、
 特別な製造方法。

3.純米吟醸酒
→米と米麹、
 吟醸造りの精米歩合60%以下

4.純米大吟醸酒
→米と米麹、
 吟醸造りの精米歩合50%以下

5.大吟醸酒
→米と米麹と醸造アルコール、
 吟醸造りの精米歩合50%以下

※吟醸造りとは、
 低温でじっくり発酵させる造り方。

米と米麹だけなら
→純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒

米と米麹と醸造アルコールなら
→大吟醸酒、吟醸酒、本醸造酒

ちなみに、
醸造アルコール分を含むお酒が、
日本酒全体の75%程度を占めている。
※国税庁の魚しおり/平成29年度発行

また、1升瓶を作るためには、
約2坪の田んぼが必要と言われ、
日本酒は手間をかけて
丁寧に作られるのがよく分かる。
※2坪はダブルベットよりやや大きいくらい。

個人の感覚だが、
純米酒系はアルコールが入っていない分、
お米本来の甘さがありスッキリなお酒。

一方、本醸造酒と吟醸酒は、
アルコールが入っているため、
純米酒に比べるとフルーティな香りを
楽しむ事ができるお酒。

お客が好きなタイプをしっかり
把握しておくためにも種類くらいは
抑えとくと良いと思う。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

●日本酒ができるまで
日本酒というのは製造方法で味や香りが
大きく変化するものだと思っていて、
日本酒ができる過程も触れて置くと良い。

1.精米
酒造り用の白米を作る。

2.洗米
米を洗う。

3.蒸米
米を蒸す機会を使って米を蒸す。

4.麹菌を蒸米に振る
日本酒は「水」と「米」からできていて、
それらを【アルコール発酵】させるには、
米を糖化させてアルコール発酵を促す必要がある。

※発酵とは、微生物が人間に有益な物質をつくりだすこと。

米を糖化させるには、
米の中にあるデンプンを
糖分に変える必要があり、
この時に使用するのが“麹菌“。

蒸した米に麹菌を振りかけ、
デンプンを糖化させ【米麹】を作る。

※米麹とは、蒸したお米に麹菌という、
 カビの一種が生えたもの。

5.酒母作り
酒母とは、小さな桶で蒸米、米麹、
酵母、水を混ぜたものを言い、
酒母作りの目的は【酵母】を大量に培養し、
アルコール発酵を促すことで、
日本酒作りにおいて非常に重要な作業。

※酵母とは、糖をアルコールと
 炭酸ガスに分解する微生物のこと。

★酒母作りの方法について★
「生酛(きもと)系」と
「速醸酛(そくじょうもと)系」
の2つに分かれます。

酒母作りの目的は酵母を大量に培養し、
アルコール発酵を促すことでしたよね。

このアルコール発酵を促すにあたり、
有害な雑菌を淘汰する必要があるみたい。
※詳しいことは分かりません。

これら有害な雑菌を淘汰し、
有用な日本酒酵母を大量に育てるためには、
【乳酸】と呼ばれるものが必要である。

この乳酸を人為的に加えるのが“速醸酛系”
天然の乳酸の発生を待つのが“生酛系”。

そして、
生酛系には、「生酛」と
「山廃酛(やまはいもと)」に分かれます。

どちらも天然の乳酸の発生を
待つのは同じであるが、
【山卸】という作業の有無で分かれます。

※山卸(やまおろし)とは、
 米や麹を木の棒で潰して
 ドロドロにしていく作業のこと。

生酛は山卸を使い、山廃酛は山卸を撤廃。
生酛は日本酒作り全体の1%程度で、
山廃酛は全体の9%程度、
速醸酛が全体の90%を占めている。

6.醪(もろみ)造り
醪とは、
タンクの中でアルコール発酵が
進んでいることを指しており、
醪造りは蒸米、米麹、水を
3回に分けて投入する「3段仕込み」を
採用してアルコール発酵をさせており、
3回の作業を4日間にわたって行う。

1日目:初添(はつぞえ)
酒母に水、米麹、蒸米を加える。
酒母の約3倍に増殖。

2日目:踊り
休みを取り、醪内の酵母の増殖を促す。

3日目:中添(なかぞえ)
酒母に水、米麹、蒸米を加える。
酒母の約7倍に増殖。

4日目:留添(とめぞえ)
酒母に水、米麹、蒸米を加える。
ここが醪日数の初日となる。

そして、20〜30日後に醪が出来上がる。

7.上槽(じょうそう)
上槽とは、
醪を布でできた酒袋に入れて絞ること。
この縛り方によって日本酒の香りと味は
驚くほど変化すると言われている。

上槽では大きく3つの種類がある。

1.あらばしり
上槽時に圧をかけずに
醪の重さだけで自然に出てくる
少量しか取れない希少価値が高い部分。

2.責め
最後に少し圧を加えて出てくるお酒のこと。

3.中取り(なかどり)
上槽の中頃に出る酒のことで、
この部分が酒質が最も良いとされ、
鑑評会などの出品酒として
使われる事が多い。

上槽で縛り上がった時点の酒は
うっすらと白く濁っているため、
数日間静置させて白い浮遊物の滓(かす)を
沈殿させ透明な上澄みだけを取り除きます。

この作業を“滓引き(おりびき)”といい、
滓引きしても微細な不純物が
含まれている可能性があるため、
濾過機を通して濾過し完全に滓や雑菌を
取り除きます。

この滓引きせず瓶詰めするお酒もあり、
これを“滓がらみ(おりがらみ)”といい、
濾過機に通さないお酒のことを“無ろ過”という。

8.瓶詰め、火入れ、貯蔵、ラベル貼り
醪を絞った後、
貯蔵前と瓶に詰める前に火入れを行う。
日本酒の品質保持のために行う加熱殺菌で、
約62〜68°のお湯に瓶詰めされた日本酒を沈める。

ただ、火入れの回数や貯蔵などは、
酒蔵によって千差万別。

火入れは大きく3つに分かれる。

1.生酒(なまざけ)
醪を上槽してから一切、
加熱処理を行わないお酒のこと。

2.生詰酒(なまづめしゅ)
貯蔵前に1回火入れを行うお酒のこと。

3.生貯蔵酒(なまちょじょうしゅ)
瓶詰め前に1回火入れを行うお酒のこと。

貯蔵方法もいくつかある。

1.ひやおろし
春先に絞った新酒に一度火入れし、
夏まで熟成した後、秋口に出荷される酒。

2.古酒
3年以上貯蔵されたお酒。

3.樽酒
杉樽に入れたお酒。

まずはこの辺りから抑えておこう。

ではまた(^^♪

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